【NEWS LETTER/No.02】

[2004.03.03]
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  □このNEWS LETTER は,勝手ながら,弊社がお付き合いさせていただい
   ている方や名刺を交換させていただいた方,またメールをいただいた
   方で,出版・編集に関連のある方にお送りしています。ご不要の場合
   は,お手数ですが,メールにてご一報ください。
  □mail to:info@edit-jp.com
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●もくじ●

 〈1〉ニュース JIS漢字表の改訂・発表
 〈2〉特集1  sed(セド)による表記の統一
         〜パソコンをうまく利用した編集術(1)〜
 〈3〉おすすめサイト
     (その1)編集者必見「出版.NET〜出版技術講座」
     (その2)デザイナー必見「Adobe Studio」
 〈4〉特集2 下請けからパートナーへ 〜編集プロダクション論(1)〜
 〈5〉社員雑感
     (その1)読書は何のためにするのか
     (その2)花粉症の克服法
 〈6〉編集放浪記

〈1〉ニュース

JIS 漢字表の改訂

 2月20日,経済産業省から「JIS 漢字コード表の改正について」という発表がありました。
  http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004964/
 これは JIS規格“JIS X 0213 7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化拡張漢字集合”の変更についてであり,これにより,「謎」「鯖」「薩」など168字の字形の変更,「屏」「嘘」など 10字については,別の文字として追加が行われました。
 そもそもこれらの文字は,ある略字から“類推適用”して作成された字形で,『お言葉ですが…2 「週刊文春」の怪』にある高島俊男氏の言葉を借りれば, JISによる「ウソ字」ということになります。
 JIS 規格は,漢字コードについて規定はあるものの,字形についてはあくまで「例示字形」ということですが,多くのフォントがこれに準拠しています。
 今回の変更で急に何かが変わるというわけではありませんが,学習参考書など,字形の違いに注意が必要な本づくりにおいては,「薩摩」や「葛飾北斎」が正しい字で扱えることになれば,外字や画像として扱わずに済むため,非常に助かるわけです。
 ですが,ふと考えてみると,これは近い将来に,新しい機器を入れたオフィスなどの環境で「本字」で出ていた文字が,従来の機器を使っている印刷所などではいわゆる「JIS 文字」で出てくるということにつながるのでしょうか。
(文責/編集部:杉山元康)

〈2〉特集1

sed(セド)による表記の統一
〜パソコンをうまく利用した編集作業(1)〜

 原稿整理をするとき,表記の統一作業はけっこう時間がかかります。また漏れるケースもよくあります。
 この作業を,原稿がテキストデータ(文字データ)なら,一気にかたづけてしまおうという考え方を実現したのが, sed(セド)というプログラムです。
 コンピュータの世界では昔から使われていたようで,『出版のためのテキスト実践技法』(西谷能英著,未來社)でも紹介されていますが,素晴らしいプログラムです。
 プログラムといっても考え方は難しくありません。テキストエディタで変換したい文字を書いておき,拡張子を「.txt」の代わりに「.sed」として(これを「 sedスクリプト・ファイル」と呼びます),実際に組み付ける,あるいは納品するテキストデータにそれを適用させてやる,というものです。
 基本的には,「y/(変換前の文字)/(変換後の文字)/」とするか,「s/(変換前の単語)/(変換後の単語)/g」 とするかの2種類しかありません。それぞれを「yコマンド」,「sコマンド」と呼び, yコマンドは1文字を1文字に変換,sコマンドは単語を単語に変換させるものです。
 テキスト内のすべての数字を全角から半角にしようと思ったら, 「 y/0123456789/0123456789/」,「エデイット」を「エディット」に変えようと思えば,「 s/エデイット/エディット/g」とするだけです。
 Wordや普通のテキストエディタの「検索・置換」と決定的に違うのは,
 1)何種類もの変換を一度に全部できること。
  これは,適用させてやるスクリプト・ファイルに,自分の変換したいものを好きなだけ書き込んでおけばいいのです。
 2)一つひとつの変換の命令を組み合わせて,より複雑でケースに応じた変換方法を自分で作れることです。
 たとえば,「今」という字を「いま」とひらがなに直そうとします。置換で一気にやってしまえば,本来漢字で使うべきところまでひらがなになってしまい,「いま日(今日)」とか「いま回(今回)」,「いま週(今週)」などとなってしまいます。また,「今は」という語句を「いまは」と変換しても,「今も」「今が」「今だ」「今を」はまた別に変換しなければなりません。数ページなら良いですが,100ページあったら, これらの統一にかかる時間は想像できません。
 「s/今\([はもだを]\)/いま\1/g」 などとしておくと、「今」の直後に「は,も,だ,を」のどれかの文字が続いた場合のみ,「今」を「いま」と変換する,というスクリプトになります。
 これらを使いこなせば,ほとんど革命的にテキストデータの処理が早くなります。
 事実、今やっている雑誌の仕事の表記統一の決まりを社内で作ってみました。これまでチェックに時間をとっていたのが嘘のようです。すべて変換を終えるのに,パソコンの処理時間は数秒で済みます。今月から決まり切った表記についてはいっさいチェックの必要がなさそうです。
 もちろん,より都合よく使うためにはさまざまなケースがあります。また,それに応じて,記号もたくさん使います。
 s,y,g,@,-,/,\,^,[,],.,$,*,1,2,3,?,! をはじめとする記号類が複雑に組み合わせられてくるので,高度なものは難しいですが,基本を覚えるだけでも全然違うことは間違いありません。少し覚えて,そのときに必要なスクリプトを自分で書けたらすごいことです。また,それは実現可能だと思います。
 インターネット上には,いろいろなスクリプトがあります。自分たちですべてを作ることは無理でしょうが,たとえば「常用漢字以外の漢字をすべてチェックする」というスクリプトを適用したとしたら,本当に 100%の確率で拾うことができます。
 あるいは学年別の表記や単語もチェックできます。単行本や雑誌だけでなく,学参ものでも大いに役に立ちます。「1桁の数字の場合は全角のままにして,2桁以上の数字はすべて半角にする」ぐらいのスクリプトだったら作れそうです。といっても,数行のアルファベット,数字の羅列になるだけですが……。
 <参考文献>
  西谷能英『出版のためのテキスト実践技法』[執筆篇][編集篇] 未來社
  http://www.miraisha.co.jp/mirai/archive.html
     未來社アーカイヴ(上記 西谷氏の情報サイト)
     http://www.chimimo.com/sed/ 「sedは日暮れて」
     http://www.trunk.gr.jp/henshu-index.html TRUNK:電子編集
 <スクリプト実例>
 1)全角アルファベットを半角にする。
  y/ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcde
  fghijklmnopqrstuvwxyz/ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTU
  VWXYZabcdefghijklmn opqrstuvwxyz/
 2)全角マイナスを長音記号にする。
  y/−/ー/
 3)記号類を全角にする。
  y/?!/?!/
  y/(){}[]<>「」/(){}[]〈〉「」/
  y/\+-=#\$%&\\*@\//+−=#$%&¥*@//
  y/。、ー・/。、ー・/
 4)和文横組み用句読点に統一する。
  y/、./,。/
 5)漢字を平仮名にする。
  s/例えば/たとえば/g
  s/後ろで/うしろで/g
(文責/編集部:三浦邦彦/杉山元康)

〈3〉おすすめサイト

 (その1) 編集者必見「出版.NET〜出版技術講座」
      http://www.syuppan.net/mura_HP/index.html 
 出版労連の運営するサイト,出版.NETのコンテンツです。「太郎さんと花子さんの出版技術講座」や「本作りこれだけはQ&A」など,対話編を中心とした親しみやすい構成で,勉強になりました。
 (その2) デザイナー必見「Adobe Studio」
       http://studio.adobe.com/jp/
 あのアドビシステムズが開設した, 印刷・Web・ビデオのデザイナー向けのサイトです。文字やデザインに関する資料が pdf形式などで公開されています。
(文責/編集部:M.S.)

〈4〉特集2

下請けからパートナーへ 〜編集プロダクション論(1)〜

株式会社エディット 小林哲夫

 我が国で発行される書籍・雑誌等の出版物の3割〜4割が「編集プロダクション」といわれる組織によって作られているといわれています。編集プロダクションは出版社や企業からの委託を受けて,本作りや雑誌作りの業務を行う受注加工業です。具体的には,出版業の基本であるテーマ探しや企画作り,取材,執筆,編集,制作,デザインといった業務を代行する組織です。
 かつては,取材だけとか執筆だけとか編集だけといった,本作りに関するパーツ(部分的作業)を受け持つ下請け的な形態が中心でしたが,徐々に企画から制作まで,本作りの基本業務をすべて一括して受注したり,出版プロデューサーとして総合的に本作りをコーディネートしたりする形態が多くなってきました。
 今日の日本の出版業界を見ると,書籍も雑誌も年々売り上げがダウンしており,いまだかつて経験したことのない構造的不況が長く続いています。多くの版元は企業内合理化を推し進め,それに比例して出版社の社員の多くは活力を失ったり,リストラにあったりしています。
 そうした社員に積極的な企画作りの意欲や新しい本作りのノウハウを期待することはなかなかできません。また,多種多様な出版物を作るためには,社内の限られたスタッフだけでは限界があります。継続的な社員雇用も出版社にとっては苦しく,経営を圧迫していきます。
 そうした負(マイナス)の背景もあって,外部で専門性を持ち,雇用関係を必要としない,いつでも縁を切ることができる編集プロダクションの役割と機能が出版業界に必要とされてきたのです。
 版元による出版物のアウトソーシング(外注委託)化は1960年代から急速に高まり,いまや実務面では,編集プロダクションは本作りの主流を占めるようになってきました。
(続く)

〈5〉社員雑感

 (その1) 読書は何のためにするのか
編集部(国語)/伊藤 隆
 私は数年前教師をしていたとき,生徒から「何のために読書をするの?」と質問をされても,答えはなかなか見つかりませんでした。読書は何かを獲得するためにするものではない,というのでは説得力はない。私としては,何か答えを伝えたいと思ったものでした。
 朝日新聞・夕刊2月25日号の記事「『静筋』を強化」には,プロゴルファー宮里藍(18歳)の父でありゴルフの師匠である宮里優さんの談話が取り上げられていました。
 「静筋」とは宮里優さんの造語です。「静かに物事を判断する力」を意味するそうです。父・優さんは娘・藍さんに,小さいときからさまざまなスポーツを通して,体力を鍛えるとともに,静かな時間をすごすことで,「静筋」を鍛えるように導かれました。18歳にして一流のプロになられたキーワードは「静筋」といえそうです。
 では,「静筋」はどうすれば鍛えられるか。  優さんは,読書をすることで養われるとおっしゃっています。「読書は何のためにするのか」の一つの答え方を教えてもらったように思います。
 私も、自分にとっての「静筋」とはどのように言い表せるか,読書の意味とはなにかを説明できるようになりたいと思いました。
 (その2) 花粉症の克服法
編集部(デザイン)/加藤佳代
 先日,よく出入りする HPのBBSに「梅のつぼみがふくらんだよ」という書き込みがありました。
 もう春ですね。花見の季節ですね。なんてほのぼのできる気分じゃないです。花粉症持ちにとっては…。
 毎年コヤツには非常に苦しめられ,原稿に洟が垂れ,外に出る気は失せ,洗濯物や布団は外に干せない,花見の誘いも断らざるを得ない,マスクと眼鏡は必須なので,怪しいヤツとからかわれる等々で,散々な目にあっておりました。
 薬を飲めば楽になりますが,睡魔も一緒にやってくるんですよね。
 鼻水と睡魔と春のぽかぽか陽気と仕事を同時に対処するなんて,こんな厄介なことはないでしょう。
 そんな花粉症ともオサラバさ,ということで,去年「鼻の粘膜を焼く」というプチ手術(?)をしました。おかげさまで,だいぶ楽にはなりましたが,完治!と呼べる程のものではありません。
 何か良い策はないものかと,社内のKさんに聞いたところ,「カスピ海ヨーグルトがいいらしいですよ」とのこと。ちょっと前にブームだった,アレです。
 家で作っていたから食べていたそうですが,これが吃驚! 治っちゃった。腸の活性化や体質改善に効果があり,Kさんの場合は花粉症に効いたようです。真似して食べようかと思うのですが,世話が…面倒くさい……。
 だれかヨーグルトと私の面倒を見てくれる人,どこかに居ませんかね。

〈6〉編集放浪記

 2月も多忙を極めた。2/4〜2/7はNo.01でも紹介した「PAGE 2004」の見学を含めて東京4日,QuarkXPress6.0日本語版発表,InDesign,EDICOLORとDTPソフトも競争激化。2/9は新占い雑誌の打ち合わせ。2/12・13は岡山方面へ,用事は3件と少ない。ちょっとさぼって倉敷・大原美術館へ2時間ほど。2/18大手版元編集部長来社,業界の今後を話す。2/19は塾関係の新版元から声が掛かり訪問,社長と面談。その夜から東京に入る。21日まで,AJEC(日本編集制作会社協会)関連の集まりが中心。今月も飲む機会多し。いつも「これからは控えよう」と反省するが,なぜか次の日だけで終わっしまう。
(小林)


_________ エディット/NEWS LETTER/No.02 _________
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 □発 行 日:2004年03年03日(不定期)
 □発行責任:株式会社エディット
 □編 集 長:小林哲夫
□編集担当:伊藤隆/三浦邦彦/杉山元康/加藤佳代
 □発  行:株式会社エディット URL : http://www.edit-jp.com/
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 □関連HP:http://www.edinet.co.jp/
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