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エディット通信(2018年麦秋号)

教育ITソリューションEXPO 特別講演を聴講して

2018.6.4

6月になりました。麦秋のころとなり,麦畑は一面,金色の海のようです。いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

第9回「教育ITソリューションEXPO」は,5月16日から18日まで,東京ビッグサイト西ホールにて開催されました。

展示ブースは,大きく分けて,A会場とB会場の2つに分かれ,約700社が出展し,3日間で約3万人が入場されたとのことです。

同時に,基調講演や特別講演,専門セミナーが,連日ビッグサイト内の各会場で行われ,受講者は参加者の約半分に近い13,000人にのぼったといいます。

最新の教育事情,ICTを活用した各種実践例など,どれも興味深いものでした。

私は『SAPIX YOZEMI GROUPが実践するICT活用とその未来』という特別講演を聴講しました。新しい気づきや発見の多い講演でしたので,レポートとしてまとめさせていただ きました。もしよろしければ,ご一読いただけますと幸いです。

『SAPIX YOZEMI GROUPが実践するICT活用とその未来』

日時:5月16日(水曜)15時〜16時
場所:東京ビッグサイト内
講師:SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表 高宮敏郎氏

およそ60年前に産声をあげた代々木ゼミナールは,その時代に合わせた予備校の あり方を追求されてきました。

通信衛星授業による「サテラインゼミ」,大量動画配信をおこなった「VOD(ビデオオンデマンド)」など,業界の先駆者としての取り組みを続けていらっしゃいます。

今回は,SAPIX YOZEMI GROUPの最近の動きや,高宮敏郎氏の「ICT」の捉え方について,興味深いお話をうかがうことができました。

冒頭で,高宮氏は,2000年代後半から,IT(Information Technology)という用語が,ICT(Information and Communication Technology)に切り替わっていったことについて語られました。

「IT」「ICT」ともに「情報通信技術」を表していますが,「ICT」には,「C:コミュニケーション」が追加されていることに,高宮氏は注目されます。

さらには,「コミュニケーション」の意味を,広辞苑で「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達」と書かれている点にも注目されました。

SAPIX YOZEMI GROUPが作られた『学習総合サイトStudyplus』は,「場」と「ICT」との融合を図った,新たな形です。学習管理,友だちとのコミュニケーション,学習方法,進路情報の収集などを一括で行える場所です。

学習総合サイトStudyplus <<< https://www.studyplus.jp/

例えば,勉強をしているのに,成績があがらない生徒がいたとして,Studyplus内の生徒から「得意な教科の勉強ばかりしていないか」というアドバイスが入ります。アドバイスを受けた生徒は,勉強のやり方を改善していくことができます。

主体的な場面を対話の形にする「Studyplus」によって,従来の対面授業や自学自習を行いながら,自分たちでやる気を生み出せる仕組みを作り出されました。

高宮氏は,子どもが父親によく言う,

「お父さんは理由は聞くけど,気持ちは聞いてくれないんだね」

という会話の一節を例にして,コミュニケーションとは,事実関係の追求だけではなく,感情の相互伝達が大切であることを力説されていました。

とかく忘れがちな感情の伝達を,ICTを有効活用することで,強固にすることができます。

今まで以上に,人間同士のつながりを大切にし,さらには学びに深化をもたらすものが,ICTであることを強く認識しました。

最後に,高宮氏は,1958年のアジア競技大会のスローガン「Ever Onward(限りなき前進)」を紹介されていました。

激変する塾業界を力強く引っ張る,頼もしい姿を垣間見たようでした。

(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)