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エディット通信(2018年立秋号)

「デジタル時代の校正テクニック 〜役立つソフトやサイトの使いこなし術」 前編

2018.8.2

八月に入りました。立秋を過ぎたころからの涼しさを期待したいところです。お元気でいらっしゃいますでしょうか。

今回は,7月12日に日本編集制作協会(AJEC)編集教室の聴講レポートをまとめております。密度の濃い内容でしたので,2回に分けてお送りする予定です。ご一読いただければ幸いです。

■2018年度/AJEC第3回編集教室(主催:日本編集制作協会)
「デジタル時代の校正テクニック〜役立つソフトやサイトの使いこなし術」

講師:ぼっと舎/大西 寿男 氏
2018年7月12日(木)18時30分〜20時00分
会場:DNPプラザ 2F イベントゾーン

ぼっと舎の大西寿男氏は,昨年の編集教室もご登壇されていました。前回同様にたいへんな人気で,100名ほどの参加者となりました。

今回は,校正を行ううえで欠かすことのできない有益なデジタルソフトやインターネット上のサイトのご紹介と,それらの使いこなし方について,大西氏の柔らかな語り口でうかがうことができました。

大西氏が提示されたサイトのアドレスの紹介と,大西氏のコメントをそれぞれに列挙いたします。

ご参考にしていただけますと幸いです。

●A 調べごとをする際の基本となるサイト
1) ジャパンナレッジ
https://japanknowledge.com
2) 国立国会図書館サーチ(NDL Search)
http://iss.ndl.go.jp
3) レファレンス協同データベース
http://crd.ndl.go.jp/reference/
4) 国立国会図書館リサーチ・ナビ
http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/
5) 国立公文書館デジタルアーカイブ
https://www.digital.archives.go.jp
6) CiNii Articles(サィニィ)国立情報学研究所
https://ci.nii.ac.jp
7) 音訳の部屋
http://hiramatu-hifuka.com/onyak/onyindx.html
A それぞれについて

1)〜7)についての大西氏のコメントを,下記に書き添えます。

1)ジャパンナレッジ
・辞書を束ねているサイト。
・「日本国語大辞典」がフルで入っているので,お得。
・「国史大辞典」「古事類苑」も入っている。
・ヨーロッパ言語,多言語の辞書,イミダス 人名大辞典,化学事典,「文庫クセジュ」も入っている。
・検索して使えるし,電子書籍として読みもの風に楽しめる。
・「大漢和辞典」「広辞苑」「大辞林」が入ったらもっといいけれど。
・校正をするときは,複数の辞典をみて,多角的に校正することが大切。
・自分がわかっていることも,用心して調べることも大切。
・校正は,辞書をいかに使うかがポイントになる。
・出張校正のときに持ち歩けなかった辞書類を,これなら使える。
→スマホなら「日本国語大辞典」を持ち歩ける。それはすごいこと。
・個人会員月額1,620円,年会費16,200円。
2)国立国会図書館サーチ
・ファクトチェックをするときに図書館を使うのは必至。
・相談窓口では,「こういう本はどこにあるのか。」「こういうことを調べたいのだけれど,どこに書いてあるか」を質問する。
3)レファレンス協同データベース
・ラジオで初めて流れたコマーシャルは何だったか。
・インターネットで調べると2つあったが,どっちが正しいかを調べたかった。
・「精工舎の時報」(中部日本放送)か「スモカ歯磨き」(毎日放送)か。
→実証経過がまとめられている。ミステリーを読んでいるような楽しさがある。
→調べものとしてもいいし,読み物としても面白い。司書のすごさがわかってくる。
4)国立国会図書館リサーチ・ナビ
・図書館のレファレンスがどう生かされているかを共有されている。
・いろんなデータベースがある。
「新暦と旧暦を対照できる資料を調べたい」
→これを見たほうがいいですよ,と一覧が提示される。
「江戸時代の商人の名前を調べたい」
→江戸商人・職人データベースというのがあった。
※これを見るまで知らなかったサイトだった。
・世論調査
「どこを見たら確かな情報を得られるのかを知りたい」
→いろんな情報網を提示してくれる。
5)国立公文書館デジタルアーカイブ
・昭和20年の情報で,戦災の被害状況を知らせるものが地域ごとにある。
→当時の資料を探すのに,役立った。
6)CiNii Articles(サィニィ)
・文献リストを校正するのに役立つ。書誌情報を調べるため。
→「若山暁美さんの,暁は新字か旧字か?」を調べるのに役立った。
7)音訳の部屋(とても役に立つサイト)
・視覚障害の人のために,ボランティアの人が音訳した多数のコンテンツが用意されている。
・気象,建築,ロボット,金融,歴史,伝統的な色,模様,生け花,茶道などいろんな読み方について,データベース化されている。
・ものすごくたくさんの事例が載っている。
・学習漫画の校正していて,「日本」のルビを「にっぽん」とするか「にほん」とするか,悩んだときに活用した。
・「日本アカデミー賞」「日本維新の会」
→これらの「日本」は,「にっぽん」と読むことがわかる。
・夕刊をサービスで読み上げることがある。
・地名などの固有名詞を間違えられない。
→「音訳の部屋」は,そういった配慮のもとで,苦労の結晶としてできあがったもの。
●B 漢字・読み方を調べるときの便利なサイト
1)常用漢字/人名用漢字/教育漢字チェッカー
http://harapeco.grrr.jp/joyo-kanji-checker.html
2)総合漢字チェッカー
http://attosoft.info/tools/kanji-checker/
3)難読・あて字・熟字訓の辞典
http://ksbookshelf.com/nozomu-oohara/Nandoku.htm
4)『熟字訓・当て字』全3030種一覧表
https://origamijapan.net/origami/2018/02/02/jyukujikun-list/
5)熟字訓・当て字索引-漢字ペディア
http://www.kanjipedia.jp/sakuin/jyukujikun_ateji/
6)用例.jp
http://yourei.jp
7)ふりがな文庫
https://furigana.info
8)旧字体・新字体変換
http://www.geocities.jp/qjitai/
B それぞれについて

1)〜8)についての大西氏のコメントを,下記に書き添えます。

1)常用漢字/人名用漢字/教育漢字チェッカー
・常用漢字表にない読みを,ルビ振りするときに便利。
・水色の数字は,小学校の学年。赤い字は,人名漢字。
・読み方が,常用漢字表に載っているかどうかまでは調べられないが。
・2)も同じもの。
3)〜5)熟字訓・当て字に関する各種サイト
・ルビをふるときに,モノルビにするかグループルビにするかという問題が出てくる。
→そのときに役立つツール。
→熟字訓のときは,グループルビにする。
6)用例.jp
・「きめ細か」「きめ細やか」の違いを調べたい。
→きめ細やかな肌という言い方があるのか?
→きめ細かな肌には例がたくさんある。
→でも「きめ細やかな」でも肌にかかることもあると知った。
・辞書を読んでも,用例としてほんとうに正しいかどうか判断がつかないときに便利。
7)ふりがな文庫
・読めそうで,読めない漢字を調べるのに便利。
→「有之候」の読み方をふりがな文庫で見ると,「これありそろ」(33.3%)「これありそうろう」(20%)だった。
8)旧字体・新字体変換
・ときどき必要になるときがあるので,知っておきたい。

その他の便利サイトや,編集教室でお話された「pdfの活用」「Acrobatをどう使う?」「InDesign・気を付けたいこと」については,次回のこの稿で紹介させていただきます。

なお,上記の記事は,大西さまの了解をいただいて,掲載させていただいています。

(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)