8月も下旬となりましたが,ひときわ残暑が厳しいこのごろです。いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
一か月ほど前のセミナーとなりますが,日本電子出版協会(JEPA)主催の定例セミナーに参加させていただきました。聴講レポートをお届けします。
よろしければ,ご一読いただけますと幸いです。
大学受験生向け定番学習アプリを運営されている2社による,アプリ戦略と事例について,また最新の学習事情についてのお話でした。本稿では,第二部・スタディプラス/廣瀬高志氏によるお話をまとめています。
登壇されたスタディプラスの廣瀬高志氏は,現在31歳。大学在学中にビジネスコンテストで優勝したことを機に,2か月後に「スタディプラス」を創業します。
「Studyplus」は,会員数300万人以上,受験生の3人に1人が利用する学習管理プラットフォームです。「Studyplus for School」は,教育機関向けのサービスで,全国の学習塾・予備校200校以上に導入されています。
「Studyplus」について <<< https://www.studyplus.jp/about
これだけの広がりを見せる「スタディプラス」の,興味深いエピソードを2つ聞くことができました。ぜひ,紹介したいと思います。
1つめとして,今の高校生は,廣瀬氏が高校生だったころよりもさらに鞄が重くなっていて,その辛さをなんとか解消してあげたいと言われていました。廣瀬さんは,予備校に1年間通学された経験があり,10キロほどの鞄を約1時間かけ,武蔵小金井からお茶の水まで,電車で移動していたそうです。予備校に着いたころには,疲れ切って,勉強に集中ができないほどだったといいます。肩こりに悩まされて,500円整体に毎日通っていたとも言われていました。
「Studyplusと電子書籍の連動」という次の展開を考える背景として,予備校通学時代の鞄を軽くしたい思いが原点としてありました。
もう1つは,廣瀬氏の高校時代のバスケットボール部の先輩に言われたことが,学習者向けのプラットフォームを作る原点になったことです。廣瀬氏は,クラブで活躍していた先輩が,東大トップ合格を果たしたことに関心を持ち,先輩にどのような勉強の仕方をしていたかを,大学生になった先輩のところに出向き,質問しました。
先輩からは,「勉強記録ノートを作るといいよ。そして,グラフ化して,成績の推移を可視化しておくといいよ」と言われたそうです。
先輩からのアドバイスを実践し,廣瀬氏の成績は上がり始め,勉強する「や る気」も出てきました。これが「Studyplus」の原点だそうです。
これら2つのエピソードから,
「自分が困っていることはほかの人も困っていることなので,それを解消するための方法はないかを考えること」
「成功している人の理由・背景を聞き出し,実践すること」
の重要性を感じさせられました。
最後に廣瀬氏の考える『Studyplusの将来像』について,紹介します。
この3点を挙げられていました。
第一部,第二部の,実績を上げ進化を遂げている2社のお話は,臨場感があり,学ぶものが多くありました。
なお,「デジタル時代の校正テクニック〜役立つソフトやサイトの使いこなし術」後編のレポートは,次回以降を予定しております。