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エディット通信(2020年如月号)

■佐々木紀彦氏『編集思考』(ニューズピックス刊)を読んで

2020.2.27

「編集」という言葉がタイトルにつく書籍にはどうしても目が行ってしまう私ですが,『編集思考』とは何ぞや,ともし質問されたら,自分なりの答えを説明できないことに気づかされました。

佐々木氏は,「編集者とは偉大なる素人である」と言われています。

この言葉を糸口に,私なりの≪編集観≫と照らし合わせ,「編集思考」について,思いを巡らせ,通読しました。

佐々木紀彦氏は,東洋経済新報社に入社され,東洋経済オンライン編集長やニューズピックス編集長を歴任。現在は,映像コンテンツの企画・プロデュース集団/ニューズピックススタジオのCEO等をされています。

編集者歴17年の佐々木氏が紡ぎ出された「編集思考」は,あくまで出版業界にかぎったものではなく,さまざまな業界でも通用するものと言われています。

興味深いのは,「編集思考」の4つの機能として,「セレクト(選ぶ)」「コネクト(つなげる)」「プロモート(届ける)」「エンゲージ(深める)」と分類されたところです。

私が,編集を考えるときに重要視しているのは,「コネクト(つなげる)」です。

佐々木氏は,「コネクト」の法則として,

の3点を挙げられています。

会社組織を考えるとき,2)の「コネクト」がとても大切であることを認識しました。

教育でいうなら,「縦への深掘り」が「専門」,「横展開」は「教養」であるとのことです。

チーム作りにおいては,「縦への深掘り」と「横展開」の融合が大切であると言われます。

会社経営において,ソニーやホンダ,Apple社においても,この「コネクト」がなされているとのことです。

私が勤める会社でも,教科編集チームや一般書籍チームの編集者は,日ごろから自分の専門性の研鑽に努力しています。それは「縦への深掘り」です。

また,深掘りをする編集者を束ねる,管理職やリーダーが,幅広い視野のなかで「横展開」して,全体の最適化を成し,バランスを取っています。

このように考えると,「編集」という営みは,書籍の編集という狭義の意味合いだけでなく,日常生活のありとあらゆることに関わっていることに気づかされます。

佐々木氏は,「編集思考」を磨く行動として,

という6点を挙げられました。

ユニークかつ熱い眼差しによる,独自の捉え方で書かれた,興味深い著書です。

佐々木紀彦『編集思考』(ニューズピックス・2019年10月刊) https://www.amazon.co.jp/dp/4910063005/

(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)