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エディット通信(2021年風花号)

■植木宣隆氏『思うことから,すべては始まる』を読んで

2021.1.18

 この本は,25年間に驚異のミリオンセラーを8冊,海外版2500万部達成など,出版不況のなかで異例の実績を誇るサンマーク社の社長によるものです。社員50人にも満たない出版社がベストセラーやロングセラーを生み出しつづけるヒントを、サンマーク社の経営指針をもとに、余すことなく披露された著書です。

 私が共感した項目を紹介させていただきます。

 「柳の下に金魚を放て」という章では,二匹目のどじょうをめざすな,サンマーク社は他者にまねされるような新しい価値を生み出すのだ,と言われます。放つべきは,ドジョウではなく「色鮮やかで,見たこともない模様で人々を誘う金魚」なのだ,と言われます。植木社長のポジティブで明るい考え方がよく表れた言葉だと思います。

 企画会議では,「驚きがあるかないか」「半歩先を照らす」「早すぎもせず,遅すぎもせず」をよく説かれていたといいます。このあたりのことは,私なりにも感じることはあったのですが,もう一つはっと気づかされたのは,「著者を簡単に消費しない」ということでした。昨今は,ある一時に同じ著者本が各社から一斉に出版され,その後,時を経ずして,ぴたっとその著者本が書店から消えるということがあります。植木社長は,「仮にヒット作が出ても,それを大きく育てることに力を注いで,続刊が出るまでの期間はなるべく長く取りたい」「それが著者の消費を防ぐ手段にもなると考えています」と言われています。ここから,植木社長が人をとても大切にされる方であることがうかがい知れます。人を大切にするという点では,会社内の人への考え方にも反映されています。「生物多様性にあふれた会社でありたい」という言葉に,植木社長の信念があらわれています。

 印象に残った箇所をいくつか引用します。

「リーダーがすべきことは『歯をくいしばってでも,ほめなさい』」
「平均点を取れる人よりも,強みをしっかり持っている人を育てる」
「強みをつぶしてしまわないためには,本人も周囲も素直でないといけません」

 書かれていることは原理原則に基づいた内容なので,いままでに聞き知ったことも書かれていますが,植木社長の力のある言葉に「素直であれ」というメッセージが奥底に込められているような印象を持ちました。とても清々しい気持ちにさせられました。

▼『思うことから,すべては始まる』の詳細はこちらをご覧ください。

https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3840-8