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エディット通信(2021年日永号)

■日本編集制作協会編集講座「校正記号と校正補助ツール」を聴講して

2021.3.31

 2021年1月から始まった,オンラインによるAJEC編集講座のBコース第2回を聴講しました。

 今回は,校正を進めるうえで必要となる「校正記号」に関するお話でした。日ごろ当たり前のように書き込む修正指示も,我流の指示になりがちなので,修正される組版会社のみなさんが,迷ったり,誤った修正が増えて困ったりしていないか,心配でした。今回の講座で,校正記号の基礎・基本に立ち返る良い機会にしたいと考え,聴講しました。


 講師の藤本隆氏は,ベネッセコーポレーションのグループ会社プランディットにて,長年,編集業務にたずさわりながら,ベネッセグループ各社の社員育成研修講師を務めていらっしゃいます。

 今回は,「校正」に関するさまざまな情報や心構えについて,教えていただきました。日本印刷産業連合会が,本則として示した『校正記号の使い方』を画面上で見せていただき,再確認することができました。恥ずかしながら,我流による指示をしているところが散見され,いま一度,原点に立ち戻ろうと考えた次第です。

「品質向上」と「品質保証」という言葉の使い分けについては,目からうろこでした。仕事が立て込んでくると,<とりあえず組む>という悪しき行為に及んでしまうのですが,そうすると,校了まで「品質向上」に力を注ぐことになり,最後まで朱字の量が収束しない現象が起きてしまいます。原稿段階で何度も原稿の吟味を行い,「品質向上」は原稿段階で完結し,その後の工程はあくまで「品質保証」のための校正であることを肝に銘じておく必要があります。「品質保証」とは,工程が進むごとに見えてくる<思わぬ落とし穴>を埋める作業としてとらえます。同じ部分を見ていても,ある人は「読めるからそのままでよい」と考えてパスする,別の人は「これはミスだから直さなければいけない」と判断して朱を入れるといった齟齬が生まれてしまうことがあります。「品質向上」と「品質保証」のとらえ方が双方(クライアント様と編集プロダクション)であいまいなところから,こういった齟齬が起こることを気づかせていただきました。

 藤本氏は,編集者として求められる要素として,

という3つを上げられていました。

 工程設計とは,工程を経るにしたがって修正箇所が減るように段取りをつけることです。また,校正の精度を上げるには,「知識とスキル」が大切です。その延長線上にある,「デジタルへの知見」は,デジタルの強みを知り,活かすことです。人間の校正では落ちてしまいがちな観点を限定して,デジタル校正にゆだねようとする視点は,「デジタルへの知見」から得られるものだとも言われていました。

 校正補助ツールとして,次の4つをあげられました。

「校正」とは,「校(くら)べ 正す」ということだそうです。その校正が,全体の工程のなかで,どのような役割を果たしているのかを意識して,ミスを限りなくゼロに近い状態にするための工程設計の力をこれからも身につけていきたいと思いました。

 今回もエディット・東京オフィスの塚本鈴夫が,この編集講座のレポートを作成しております。合わせてご覧いただければ幸いです。

http://www.edit-jp.com/report/2021-0325.html

今回の「校正」講座は,2017年のAJEC「編集教室」の「品質保証としての校正・校閲」(大西寿男氏の講演)も参考になります。URLを紹介させていただきます。
http://www.ajec.or.jp/category/interview2/?mypage_id=8954