文章・写真・図版・イラストなどの原稿がおおよそ手に入ったら,「原稿整理」に取りかかる。狭い意味での「編集作業」だ。
まず最初にやることはそれぞれの原稿にナンバリングや管理番号をつけ,それぞれの保管場所をきちんと作ること。本の内容とは関係ない作業であるが,原稿1枚,写真1点でも紛失してしまったら,たいへんなことだ。
原稿整理は大きく内容吟味と形式チェックに分けられる。
原稿の内容が企画の主旨に合っているかどうか,読者が満足してくれる内容になっているかどうか,わかりやすい表現で書かれているかどうか,内容の漏れや重複はないか,などの検討は「内容吟味」の作業だ。写真・図版・イラストについても同じ作業が必要だ。
「形式チェック」は原稿の量,見出し,段落,文章表現,誤字脱字,表記・記号類の統一などを確認し,適切な量,明らかな誤りの修正,正しい表記に整理していく作業だ。
現代仮名遣いや常用漢字,標準的な語いや記号の使い方を知っておくことは編集者の常識である。それぞれ参考書がいくつかあるので,入社前までに読んでおこう。