編集プロダクション エディット|教材編集・資格書編集・一般書編集

第4章 編集者になるための勉強と方法
−−その1 心がまえ−−

12.正しい嘘をつけるか−−説得力をつける

編集とは相手を口説く仕事である
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「正しい嘘」という言い方は矛盾した表現である。しかし,言葉は本質的にある程度の「嘘」を持っている。「美しい」とか「愛」とかの言葉を例に取ればすぐわかる。どんな言葉も必ず抽象性を持っている。対象としたもののすべてを言い表すことはできない。必ず欠落した部分が存在する。だからこそ真実や実態に迫ろうとする,新しい表現が生まれてくる。

編集者は説得力を持たなくてはいけない。著者や読者に対してはもちろんのこと,本づくりにかかわるあらゆる人に,自分の作ろうとしている本のすばらしさを理解してもらう努力をし続けなくてはいけない。編集者はオルガナイザーorganaizerだ。本づくりの組織者・まとめ役なのだ。言葉を武器に一人ひとりを口説いていく商売なのだ。

自分の言いたいことをきちんと相手に伝える能力,話ができる能力を身につけることが編集者にはまず必要だ。話すだけではダメだ。言いたいことをきちんと相手に理解してもらい,賛同してもらうことが大切だ。それが説得力だ。多少オーバートークになってもよい。熱意を持って話をしよう。口説き文句を探そう。それを「正しい嘘」という。