編集プロダクション エディット|教材編集・資格書編集・一般書編集

第4章 編集者になるための勉強と方法
−−その1 心がまえ−−

13.相手の立場に立つ

著者と読者を結び合わせる仕事
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説得力を持つということは相手がこちらの意見に納得するということである。説得と納得は相互作用の関係にある。しかし人はそう簡単には納得してくれない。相手を納得させるためにはまず相手をよく理解することである。相手の様子や環境・考え・嗜好・感情といったものをよく知った上で働きかける必要がある。相手の立場を無視した説得は成功したためしがない。しかしビジネスの世界では,相手の立場に立つことはそう簡単ではない。競争原理で動く社会だ。人はどうしてもまず自分の欲や思いを優先する。また相手の立場に立つことで自分の立場が不利になることも多い。ビジネス社会では,相手の立場に立つというよりも,お互いに一致する点,お互いに納得する事項を見つける努力がポイントになる。

編集者の場合はどうか。最大の相手は著者読者である。ともに編集者にとって,競争的な関係でもなければ,対立的な関係でもない。むしろ相手の立場に立つことで成り立つ関係である。著者の才能や能力を十分に理解し,読者の期待や思い・嗜好を知り,両者を結び合わせる仕事である。編集者こそ相手の立場に立って仕事を進めていく職業である。