4月25日、エディットは名鉄局印刷株式会社さまの工場を見学をさせていただきました。以下、そこで学んだことをお伝えします。
見学させていただいた内容は、
という、一連の印刷工程です。
見学のポイントは2点ありました。
ひとつは、MC-Smartを使った組版システムです。
もともと顧客からの入稿データは、さまざまなソフトを使って作られています。これを、
という組版システムです。
実際に、数学・化学の原稿でのデモンストレーションを見せていただきました。レイアウトされた誌面、数式が「ひょいっ」と現れたときには、参加者から「おーっ」と声があがりました。速くて、美しい。
また、文字の下付け・上付け、約物や半角・全角など表記ルールを@で適格化もできます。顧客が希望する表記ルールをあらかじめ設定しておけば、その通りに変換されます。校正時の細かなチェックや組版の修正作業もかなり減らせるとのこと。どのオペレータさんでも一定の水準、一定の速さで作業が進み、短納期・高品質に大きく貢献しています。
組版システムにあまり詳しくない私でも、わかりやすい説明とデモンストレーションで、たいへん勉強になりました。
見学のポイントのもう一つは、オフセット印刷の現場でした。
刷版はCTP(Computer to Plate)と呼ばれるもので、面付されたデータから直接、製版されます。1時間に40枚ほどの製版が可能とのこと。
フィルム製版は1枚に10分ほどの時間がかかっていたそうです。それが飛躍的に速くなっており、手間もかからない。 ここでできた刷版をオフセット印刷機にセットし、印刷が始まります。
オフセット印刷は、よく知られているように、刷版が、絵柄の部分=油(インキ)になじむ層、絵柄のない部分=水になじむ層に加工されており、版の絵柄の部分についたインキが紙に転写される仕組みです。印刷された紙には、前後の紙のインキでお互いが汚れないように、微細なパウダー(トウモロコシの粉が成分)がふられ、どんどん積み上げられていきます。最大で1時間に15,000枚印刷できるというから、出てくる紙を見ていても、あっという間に刷り上がります。
一見、機械で自動的に印刷されているようにしか見えません。
しかし、紙の種類に合わせて、1時間当たりの印刷枚数を調整したり、水の量を按配したり、スタッフさんに頼る作業もまだまだ多いようです。そのため、担当のスタッフさんは印刷技術の資格を全員が持っており、熟練度を高める努力を怠らないとのこと。機械化されたからこそ、一層の熟練に取り組む姿勢が感じられました。
編集プロダクションにとって、組版・印刷会社さんは、大切なパートナーです。私たちがつくったものを、実際にかたちにするのは印刷会社さんであり、読者が目にするのは印刷会社さんがつくった製品です。
現場の皆さんが高い品質を維持しよう、さらに高めようとつねに努力してくださっていることを実際に見学することができ、私たちも、それにふさわしい編集物を日々制作していかなければと痛感しました。
(見学のなかでは、昔 活躍していた電算写植や活版活字なども拝見しました。たいへんためになる1日でした。)