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エディットお役立ちレポート

2019-01-17 AJECデジタル部会勉強会2019に参加して

【講義内容】◎デジタルによる教材表現とデザイン

高野 勉(たかの つとむ)氏
東京書籍株式会社 教育文化局教育事業本部 ICT第一制作部部長

高野さんの講演は、ちょうど昨年の同じ頃に、同じ会場で行われた内容の続きと考えてもよいと思われます。今回の講演の前半は、昨年の講演の時は、まだ、法整備が整わなくて、可能性として述べられていたことを、今回は、確認としてまとめられていました。

また、後半は、新しいデジタル教科書とは違ったデジタル補助教材の特色とあり方を「デジタルによる教材表現とデザイン」として、特に自社(東京書籍)のデジタル教材を例にして説明されました。

両方とも、前回の講演と関連しているので、その時のレポートがエディットのHPに掲載されているので、参考にしていただければ幸いです。(http://www.edit-jp.com/report/2018-0118.html

<概略>

@制度上のデジタル教科書
AWebフォントについて
Bデジタルによる教材表現とデザイン
Cデジタル教科書とアクセシビリティ
D技術的課題と解決策

<感想>

いままで「デジタル教科書」と言っていたものは、学校教育法では、デジタルの「補助教材」と呼ばれています。また、これからデジタル教科書と呼ばれるのは、「電磁的記録」と表現されているものです。デジタル教科書とは、あくまでも、紙の教科用図書のコピーという位置付けであり、実際に流通するのは市販されている一般書のKindle本のようなものだと思えばよいと思われます。こういう意味で、これからは、従来の「デジタル教科書」をデジタル補助教材と呼ぶことにしたほうがよいと思います。

したがって、デジタル教科書ができることは、紙の教科書に載っているリンクの使い方以外では、文字や表示を大きくしたり、音声読み上げをしたりすることくらいだと思われます。しかし、教科書でQRコードを使って指示されたリンク先にどのようなデジタル教材があるかは、今後の動向を待つ必要がありそうです。この点は、教科書の準拠版を作るとき、どうそれを取り扱うかという問題がこれから出てくる可能性があります。

また、高野さんが少し触れましたが、著作権法の解釈から、新しいデジタル教科書は、著作権の許諾を得る必要はなく、文化庁長官の裁定による一定の補償金を支払えばよいことになっています。一方、デジタル補助教材のほうは、たとえ教科書会社の教材であっても、著作権は個別に交渉をする必要があります。つまり許諾を取れない場合もありうることになります。この辺は従来の「デジタル教科書」の問題を引きずっていると言えます。

本当は、従来「デジタル教科書」(児童用)と呼ばれていたものが、デジタル教科書と認められると、デジタル教科書の世界はとても広がったものになります。多分、高野さんはそういうものを作りたかったのだと思われますが、そうしてできた「デジタル教科書」が検定できるのかという問題と、それを主とした教材にして授業をする場合のデメリット(学習の仕方やさらには目や脳にどういう影響を与えるか)がよく分からない段階では、今回のようは決定になったのは仕方がないのかもしれません。

ただ、その広がったデジタル教材の世界の一部が、今回、高野さんが説明してくれた「デジタルによる教材表現とデザイン」の話の内容でした。これらは、デジタル補助教材の開発の基礎になるものですし、Web上での学習教材作成に役立つ方法だと思われます。

エディットのこれからの課題は、デジタル教材のデザインというより、Web教材の表現方法やデザインを考えることだと思われます。このためには、技術的は、HTML5とCSS3及びJavaScriptの理解が必要だし、PCだけでなく、スマホやタブレットにどう対応していくかが課題になってくると思われます。

(余談ですが、勝間和代のメルマガによれば、すでに彼女は、PCを使わなくて、スマホとタブレットだけで、原稿を書くようになったそうです。文字入力は、音声入力を主として、フリック入力で部分的に修正すれば原稿ができあがるそうで、従来の原稿書きよりかなり速く書けると同時に、いつでも、どこでも原稿が書けるようになったそうです。つまり、そのうちに特別な時以外は、PCなど使われなくなるかも知れません。PCの「P」の意味がなくなりつつあるような気がしてきました)

(文責:東京オフィス 塚本鈴夫)