第13期第5回AJEC「編集教室」に参加して
【講義内容】◎編集者のWeb記事制作に関する「編集技術ノウハウ」
講師:山田 俊浩(やまだ としひろ)氏
東洋経済オンライン編集長
【講師略歴】早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入社し、1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごす。2013年10月からニュース編集長、2014年7月から東洋経済オンライン編集長に。著書に『孫正義の将来』(東洋経済新報社)がある。
山田さんによれば、東洋経済オンラインは、現在月間1億7000万ページビューで、ユニークブラウザでは月に1000万人くらいが見ていると思われという。ヤフーや楽天などのサイトでも見られるようになっている(無料提携配信)ので、もっと多くの人が見ていると思われる。
よく似たサイトに、プレジデントオンライン、ダイヤモンドオンラインがあり、また一般記事としては、文春オンライン、デイリー新潮などもあるが、その中でも、こうしたサイトの草分けとしての誇りをもって話された。
これからの編集者の仕事としては、こうしたWebサイトの記事作成ということがどんどん増えていきそうだ。
<概略>
①なぜ「編集者」の重要性が高まっているのか?
- ネット上の記事の量が膨大になっている
- 素晴らしい記事も「工夫」をしないと読まれない
- 編集者の役割 = 作るまで → 読んでもらうまで
- 編集者の役割 = 仲介者 → 付加価値を生む人
②ウェブ編集に必要な「コツ」とは?
- 「タイトル」と「書き出し」に必要なものとは?
- 「SNS」の継続的な活用
- 「定型化」による安心感の演出
- 「読者本位」の徹底
③ありがちな「失敗例」とは?
- 雑誌の記事をそのまま転載(しかも古い記事を)
- レイアウトがみだれている
- 煽るようなタイトルを掲載する
<感想>
Web記事の編集者の役割という内容の講演は初めてだった。紙の本や、紙の雑誌の記事の編集と、Web上の記事の編集とでは、いろいろと違いがあることがよく分かった。
「書き手はたくさんいるが、そうしたものをまとめる人が本当に少ない」というのが、山田さんが特に強調していたことだと思う。確かに、書き手はたくさんいるし、自分でブログを立ち上げている人も多くいる。しかし、それらは、必ずしもよい記事というわけでもないし、売れているわけでもない。
つい近頃、大手メディアによる、Web記事の盗作などが話題になったが、これからは、質のよいライターだけでなく、そうした質のよい記事をチェックし、手配できる編集者が必要とされるようになると思われる。
最近の出版状況を見ると、特に雑誌の売り上げ減は急激だ。新聞・雑誌などが、Webと競合していることは確かで、徐々に、読者はWebの方に流れているようだ。若者は、新聞は取らないし、雑誌も買わなくなっている。大体、スマホなどで情報処理しているようだ。
ところで、山田さんの話で面白かったのは、東洋経済オンラインの古い記事が、Googleで検索するとトップになる記事があるということだ。そして、東洋経済オンラインの場合は、現在では、ランキングは落ちているが、4年ぐらい前の記事でも読まれているものがあるという。そして、各社のWebサイトがそうしたランキング競争をしているところが興味深い。そして、山田さんは、「遠からず、情報の世界は、紙からWebに移る」と考えて活動しているように思われる。
現在、編集者は、編集の資料として、あるいはファクトチェックの手段としてWebを活用しているが、YouTubeを初めとする動画サイトや、各種の有料・無料のWebサイトなどで何が起きているかの情報も知っておく必要がありそうだ。
これからは、こうしたWebのサイトの動向やそこを流れる記事の動向を理解して、活用できる力が大事になりそうだし、そうしたサイトの運営や記事づくりに編集者としての力が必要とされてくることだけは確かなようだ。
(文責:東京オフィス 塚本鈴夫)









