エディット通信(2019年万緑号)

■AJEC(日本編集制作協会)第1回編集教室
編集力「どれだけ相手の心に寄り添えるか」聴講レポート

2019.5.23

講師/箕輪厚介さんの「編集論」に,いままで気づくことのなかった大切なことを学ばせていただきました。印象に残ったことなどを,まとめさせていただきました。

よろしければ,ご一読いただけますと幸いです。

■AJEC(日本編集制作協会)第1回編集教室 テーマ:編集力「どれだけ相手の心に寄り添えるか」

講師: 株式会社 幻冬舎 NewsPicksBook 編集長 箕輪厚介氏
日時:5月16日(木曜日)18時30分~20時
場所:明治大学紫紺館

今を時めく幻冬舎の箕輪厚介さんの講演は,100人ほどの会場が満席となる大人気でした。

最近出版された書籍のエピソードからはじまって,これからの編集者像,書籍を作るときに気を付けることなど,具体例を交えて,非常に説得力のある話を繰り広げられました。

お話をうかがって心動かされた内容を,いくつか箇条書きにしてまとめさせていただきます。

★著者を口説くときに大切なのは,相手への「想像力」。
  • 見城徹氏に『たった一人の熱狂』の執筆依頼のために,見城氏への熱烈な手紙を書いた。  → 「自分の熱を伝えること」こそが,見城氏が求めることであると考えたから。
  • 堀江貴文氏に『逆転の仕事論』の原稿を依頼するときには,スマホで原稿を書ける内容を提案した。  →ホリエモンは「熱」ではなく,「効率」を求めていると想像したから。  →おかげで,20社がホリエモンに本のオファーをする中,真っ先に出版にこぎつけることができた。
★ビジネス書は「しいたけ鍋」のようなもの。
  • 大切なのは,例えば1章~5章からなるビジネス書であるのなら,共通テーマという「串」が,通っていることが重要。
  • 「しいたけ鍋」に和牛を入れてはいけないのと同じこと。
    →だめな編集者は,寄せ鍋をつくってしまう。
  • 秋元康氏は,よく「記憶に残る幕の内弁当はないよね」と言う。
★読者の「読了率」に目を向ける。
  • 読み切られる本になるように,テーマを一つに絞る。
  • 読者がその本を読み切れば,その本を別の人に薦めてくれる。
    →読み切ったことを他人に自慢したい心理も働く。
  • 「はじめに」から「おわりに」までを,気持ちよい流れで読めるように工夫する。
    →PRIDE(格闘技イベント)は,オープニング(少年少女のタップダスなど)が感動的。
    →それに倣って,本もオープニングを感動的にすると,途中つまらなくても,何とか最後まで読んでもらえる。
★インタビューで大切なこと。
  • ダメな編集者は,事前に調べつくしたことを取材相手が答える前に言ってしまう。
  • インタビューは,1000%準備して何も知らないふりをすること。
    →相手の話を聴き出すことが肝要。
    →自分が知ったつもりになっていたことが,表面的な理解であったことに気づくことがある。
    →ホリエモンがいう『多動力』は,自分がやる必要のないことを周りの人に振る力,すなわち『不動力』であることを,インタビューで知った。

相手の心に寄り添う要諦は,《想像力である》と言われたことに大いに共感いたしました。また,「自分の熱を押し付けるのは,おかしい」と言い切った箕輪さんの心遣いに感動しました。

(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)