エディット通信(2020年睦月号)
■AJEC(日本編集制作協会)第7回・編集教室 デザイン力「デザインが担うもの」 聴講レポート
2020.1.28
クリエイティブディレクターの川崎紀弘氏より,デザイナーの思考を知ることについて,丁寧にお話いただきました。 あいまいだった捉え方を明確にできましたので,今後,デザイナーとやりとりするうえで,大いに参考になりました。
■AJEC(日本編集制作協会)第7回・編集教室
デザイン力「デザインが担うもの」
講師:株式会社コンセント 川崎紀弘氏
日時:2020年1月23日(木)18時30分~20時00分
会場:DNPプラザ2Fイベントゾーン
私はデザイナーとやり取りしていて,ときどき,こちらの意図と違うものが誌面デザインとして上がってきて,悩むことがあります。
「デザイン」を自分なりに定義しないまま,デザイナーとやりとりすると,話がかみ合わなくなります。 今
回の編集教室では,編集者がデザイナーへ仕事を依頼するとき,生まれがちな「齟齬」を埋めるヒントについて,学ばせていただきました。
川崎氏が語られたことの大筋は,1)「デザイン」が意味するものは多様だと認識すること。→デザインには,「芸術」「意匠」「設計」「構想」の領域があり,捉える個人やそのときの状況で,「デザイン」の内容が変容することを認識したい。 2)デザインの多様な意味を理解するためには,分解して具体的な視点で捉えること。→エディトリアルデザインからみた「読みやすさ」「伝わりやすさ」とは何かを考える。→「文字」「写真」「図解」「レイアウト」「判型」「読者行動」「ブランディング」において,さらに細分化したチェック観点を,デザイナーとすり合わせする。3)編集者がデザイナーとわかり合うために大切なこと。→デザイナーが形にしていくプロセスを理解する。→デザイナーの頭の中の様子や行動様式を理解して接する。
でした。
とくに3)について,深く印象に残りましたので,紹介させていただきます。
川崎氏は,デザイナーがモノを作る工程として,「知る」→「試す」→「仕上げる」という3段階を経るのだと言われます。
そのなかで,編集者は,デザイナーにどのような接し方をすれば,編集サイドが求めるデザインに近づけられるのか,いくつか興味深い話を伺いました。
3つほど紹介させていただきます。●デザイナーはすでに頭の中に「絵」が描けている。その速さが強みであるが,少ない依頼説明で作り上げらたカタチは,「思い込みの産物」になりがち。→編集者はデザイナーに,思いつきを吐き出してもらい,思い込みを取り去る努力をすることが大切。●デザイナーは,アウトプットする段階で,感覚のバランスをとりながら,いろいろなことを言ったり表現したりする。→ひょっとしたら,ビックバンの0.05秒前のひらめきかもしれない。→後ろでごちゃごちゃ言わないで見守ることも大事。●デザイナーが仕上げたものに対し,オーダーにマッチングしているかを見極める。→デザイナーのこだわりが,バランスよく配分されているか。→「そこはこだわるところじゃないよ」がないか,チェックする。→デザイナーは,感覚とビジネスを混ぜて考えていることがよくあるので,配慮する。
これ以外にも体系立てられたお話をたくさん伺うことができました。
デザインの定義を明確にし,今後の仕事に役立てていきたいと思いました。
▼川崎紀弘氏の著書 『実例で学ぶ「伝わる」デザイン』
(文責:名古屋本社・企画ソリューション部 伊藤隆)









