エディット通信(2024年新学期スタート号)
皆さまへ
いつもお世話になっております。
エディットのメルマガ「エディット通信」(2024年新学期スタート号)をお送りします。
エディット通信 2024年新学期スタート号
●編集プロダクションフェアの出展と御礼
●出版ネッツことば+αの会
「生成AIや機械翻訳が進化するなか、歴史と未来の狭間で日本語の本質を考える」を聴講して
〇エディットの計画有給取得日(4/8)のお知らせ
●「編集プロダクションフェア」の出展と御礼
◆開催日:2024年03月21日(木)
◆14:00~18:00 編集プロダクションフェア(無料)
◆16:30~18:00 特別講演会(入場者無料)
◆会場:日本出版クラブホール・会議室
◆主催:日本編集制作協会(AJEC)
◆共催:全国メディア制作連盟(MEPRO)
3月21日(木)に神保町の出版クラブホールにて「編集プロダクションフェア&特別講演会」が開催されました。
エディットも出展いたしました。
当日は会場に400名近いかたが来場され、たいへん盛況でした。
お忙しい中をお越しいただきました皆さまには、誠にありがとうございました。
エディットもブースにてエディットの最近の実績をご覧いただきました。
また、会社案内や編集尺をお渡しさせていただきました。
たくさんの皆さまがたとお会いすることができて、出展するものとしては、この上なくありがたい展示会となりました。
ありがとうございました。
せっかくお立ち寄りいただきましたのに、ゆっくりお話をさせていただくことができなかったかたもお見えになったかと思います。
また、行き届いた説明ができず、ご要望にお応えできていない点もあったかもしれません。
もしよろしければ、改めて、具体的にご相談されたいこと、聞いてみたいことなどがございましたら、何なりとお声がけいただけますと幸いです。
メールやWEB会議、あるいは御社に訪問してのお打ち合わせなど、どのような形でも結構でございます。
伊藤隆(いとう・たかし) メールアドレス:t-ito@edit-jp.comあてにご連絡をいただけますと幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
●出版ネッツことば+αの会
「生成AIや機械翻訳が進化するなか、歴史と未来の狭間で日本語の本質を考える」を聴講して
・テーマ: 「生成AIや機械翻訳が進化するなか、歴史と未来の狭間で日本語の本質を考える」
・講師:大澤 法子 氏
・とき:3月2日(土) 16:00〜18:00
・ところ:新大阪 ココプラザ4F 講義室405
冒頭で《読解力の低下が社会問題に!?》として、学校現場での『ごんぎつね』の描写における生徒の読み取り力低下について問題提起されました。
その読解力低下を解決するヒントに、夏目漱石の考える《文学のあり方》があるのでは、と言われていました。
漱石の考える文学とは、「F+fの集合である」というものです。
Fとは認識的要素(Forcus)、fとは情緒的要素(feeling)を指します。
その荒野の沼地のほとりに、
身じろぎもせず、老人は立っていた。
風が大声で呼んでも聞くことなく、
いざ動くとなるとみんなで動く雲のように
上記、ワーズワースの詩の一節を取り上げて、Fとfの説明をされました。
一節の最後にある「動くとなるとみんなで動く雲」に注目します。
「雲」がF(Forcus/認識的要素)で、「動くとなるとみんなで動く雲」がf(feeling/情動的要素)となります。
雲には運動の美という情動的要素が伴っているという認識をもつことこそが、文学なのだと言われます。
その文学のあり方に心動かされることが、英語学習の動機となるのではないかと言われていました。
(大澤さんの近著に『吾輩は英語がペラペラである ニッポンの偉人に学ぶ英語学習法』があります。)
その見立てから派生することとして、俳句の英訳についても、日本語のFだけを訳すと原文の味わいを伝えられないのではないかという指摘もうなずけました。
ドナルド・キーン氏のよる「古池や蛙飛び込む水の音」の英訳
The ancient pond
A frog leaps in
The sound of water.
上記のfrogは「蛙」を訳していますが、読み手である英語話者はfrogに一定のイメージができているため、原文の味わいが伝えきれないのではないか、という鳥飼玖美子氏の指摘も興味深いものです。
大澤さんは、「frog」を「kawazu」としておいて、読者の想像にゆだねるほうが、作者の伝えたいイメージを歪めずに伝えられるのではないかと言われており、共感しました。
俳句を翻訳する時、両方の言語がもつ「Fとf」が重なる翻訳こそが、文学の味わいを丁寧に伝えるものなのだと思い至りました。
もうひとつ興味深かったのは、特にIT業界で使用されるカタカナ語の氾濫に対する見立てです。
ステークホルダー アジャイル キャパシティ アライアンス などなど
これらは、耳で聞いたままの音を写し取り訳したもの(直訳)です。
これを日本語に訳さず、敢えてカタカナ語にした理由は、日本語に訳すと、訳した人のイデオロギーが入ってしまう懸念を配慮してのものではないかとのこと。
カタカナ語のもととなる英語にも、「Fとf」の認識があるに違いないと気づかされました。
講座の後半では、「Chat-GPTは俳句が読めない」として、正岡子規の
鶏なくや小富士の麓桃の花
という句の、Chat-GPTの英訳ぶりを分析されました。
Chat-GPTの英訳は以下の通りです。
The bird singsー
at the foot of the small wisteria,
peach blossoms.
俳句中の「や」の切れ字がもつ沈黙をChat-GPTの英訳には反映されていません。
この俳句のもつFは訳されていても、fのニュアンスが込められた英訳にはなっていないわけです。
この子規の俳句の「Fとf」を十全に英訳しようとすることこそ、人間の強みを発揮できることなのではないかと大澤さんはおっしゃいました。
大澤さんが、文学のあり方に心動かされることが、英語学習の動機になると言われた意味が、最初はよくわかりませんでした。
しかし、少し考えてみると、自分なりの答えを見つけることができました。
日本語と英語のそれぞれの、文学や言葉に込められた「Fとf」を認識すること。
その認識により理解を深め、正しく伝えること&伝わることができたときの喜びを味わうこと。
これらを丁寧に体験することが、英語だけでなく語学学習のモチベーションアップにつながるのではないかと思いました。
聴講したあとに、いろんなことを考えさせられる、伸びしろのある講座でした。
〇エディットの計画有給取得日(4/8)のお知らせ
エディットは、4月8日(月)は、計画有給日を頂戴いたします。
その日に、業務上のやり取りなどが発生するようでしたら、事前に担当者とやり取りを進めておいていただけますと幸いです。
■エディットのお薦め記事
●『吾輩は英語がペラペラである ニッポンの偉人に学ぶ英語学習法』紹介ページ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005489.000002535.html
今回紹介した講演会の講師の最新刊です。
●西山圭太『DXの思考法』~楽しく働くヒントの見つけ方~ 【第8回】漱石の『文学論』と、「アーキテクチャ」の関係。
https://deh.hitachi.co.jp/_ct/17547305
●Google Chat 改行キー設定
https://google-chat-gai-xing-kishe-ding.softonic.jp/chrome/extension
Google ChatでEnterで送信してしまう設定を変更できる機能拡張です。
●MyBridge
https://jp.mybridge.com/
スマホで撮影して名刺情報を管理できる。無料。Excelへのエクスポートも可能です。
●【編集部が実際に使ってみた】朝日新聞社の文章校正AI「Typoless」の実力を検証する
https://gendai.media/articles/-/124472?page=2
●【物議】「生成AI」丸写し?中学校の課題で“同じ誤答”が続出 教諭「生徒たちには多くの学びがあった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/957dd533ee522e7d191ce77af7630e7fc1ea0a65
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